■園子温(その しおん)
□肩書き
映画監督 脚本家
□本名
園子温
□生年
1961(昭和36)12.18(射手座)
□出身地
愛知県豊川市
□出身校
愛知県立豊橋東高校
法政大学文学部除籍
□略歴(満年齢)
08年(47歳)映画「愛のむきだし」監督。
11年(50歳)映画「冷たい熱帯魚」監督。
13年(52歳)映画「地獄でなぜ悪い」監督。
※他の主な監督作品:
映画 「恋の罪」「ヒミズ」「希望の国」
ドラマ「時効警察」「みんな!エスパーだよ!」
□特記事項
・妻は神楽坂恵
■園子温
□幼少時代〜①
・父親は大学教員。(趣味で?)小説を書いていた。※故人
・母親は高校教師。
・妹がいる。
・曽祖父は大きな紡績工場の創始者。
・実家は地元有数の大地主だったが子温が誕生した頃には没落していた。
・一族に高学歴でプライドが高い人が多かった。
・厳しい家庭に育った。
・父親は母方の親戚が訪ねてきても「格下」として家に上げなかった。
・子供の頃、家にメイドがいた。
・子供の頃から読書が大好きだった。
家にたくさんあった外国の小説をたくさん読んだ。
シェイクスピア、ドスエフスキー、ヘンリー・ミラーなどを読みあさった。
・子供の頃から映画が大好きだった。
テレビで放映された昔の洋画をメモを取りながらほぼ毎日見た。
14:00から放送される映画を見る為に学校をサボった事があった。
卒業文集の「尊敬する人」に「イングリッド・バーグマン」と書いた。
・子供の頃からキリスト教に興味を持っていた。
聖書やキリスト教関係の本をよく読んだ。
・小学校時代、下半身を露出して女子がキャーキャー逃げまわるのを楽しんだ。
通知表に「性的異常が見られる」と書かれた。
・小学校時代、国語の宿題の詩や作文に過激な表現を用いた。
「月経の血が滴るような満月」「両親は蛇穴でとぐろをまいて交尾している」など。
通知表に「精神異常が見られる」と書かれた。
・小学校時代、「起立・礼・着席」の号令が大嫌いだった。
「なぜ立たなくてはいけないのか説明して下さい」と先生に食ってかかった。
・小学校時代、よくクラスメイトとケンカした。
・小学校時代、毎日のように先生に殴られた。
・小学校時代、新聞部と放送部。
校内新聞に掲載予定の過激な記事を学校側に潰された
(「君の両親は毎晩セックスの快楽に耽っている!」という見出し)。
朝礼の校長の挨拶を生中継した時に顔を撮らずに延々股間を撮って大問題になった。
■園子温
□幼少時代〜②
・中学時代、アラン・ドロンやジャン・ギャバンの映画が好きだった。
・中学時代、クラスメイトのサナエちゃん(仮名)に片思いしていた。
隣のクラスの男子に「サナエちゃんにフェラして貰った」と言われて大ショックを受けた。
・高校時代、授業に殆ど出なかった。
定期テストを受けない事があった。
成績は学年最下位を争っていた。
・高校時代、地元の暴走族の友人がいた。
・高校時代、クロネコヤマトの制服を着て学校に行って音楽室の備品を盗み出した。
・高校時代、いくつかのバンドにかけもちで参加。主にキーボードを担当。
作詞作曲をしてヤマハ・ポピュラーソングコンテストにピアノの弾き語りで出場。
・高校時代、作詞をするうちに現代詩に興味を持ち始め、
雑誌「ユリイカ」「現代詩手帳」に投稿した詩が何度か掲載された。
「ジーパンをはいた朔太郎」と呼ばれた。
・17歳の時、冒険を求めてギターを持って家出して東京に行き、
上野駅前でギターを彈いていた時に声をかけてきた女性の実家に「夫」としてしばらく居候。
出会った日に「一緒に死ぬか、夫のフリをして一緒に実家に来て」と迫られた。
一緒に暮らしていた時にセックスに誘われたがビビって勃起しなかった。
女性の実家(関東近県)から東京に戻ってきた後、5日連続で映画館に泊まった。
最後にはお金がなくなって乞食をした。
※夫のフリをした体験を映画「紀子の食卓」の脚本に取り入れた
・学生時代、学校が大嫌いだった。小中高全ての入学式に遅刻した。
・10代後半の頃、詳細な日記をつけていた。
■園子温
□私生活
・酒が好き。
・タバコを吸う。
・30代の経済的に恵まれない時期にアルコール中毒になった。
酒を飲んでよく近所でケンカをした。
・緊急搬送されて心筋梗塞の手術を受けた(=19年)。
・天然パーマ。
・お風呂があまり好きではない。
・風呂あがりに濡れた体を拭くのが面倒くさい。
・好きなアーティスト…ピンクレディー。ビートルズ。
・好きな映画…「時計じかけのオレンジ」「ベイブ」。
・韓国映画をよく観る。ライバル視している。
・好きな映画監督…キム・ギドク。
・好きなテレビ番組…「進め! 電波少年」「おねだり!!マスカット」。
・ピカソが大好き。
・40歳を過ぎても4畳半の部屋に住んでいた。
・常に「刹那」を大切にして生きる事をこころがけている。
・人見知り。
・母親が軽い認知症を患っている(=12年現在)。
・妹は弁護士事務所勤務(=11.10現在)。
・失恋して高円寺の派出所に行って
「僕は人を殺しそうになっています」と警官に言った事がある。
・ヤクザの組長の娘と知らずに手を出して殺されかけた事がある。
※映画「地獄でなぜ悪い」の脚本に取り入れた
・妻は名前(本名)が母親と同じ(いずみ)。
・妻を称えるオリジナルソングをたくさん作った(妻の前で歌う)。
・妻に「かわいいうさぎちゃん」と呼びかけて甘える。
■園子温
□人間関係
・綾野剛…友人。飲み友達。
・水道橋博士…友人。園子温作品のファン。
お笑いライブでコンビを組んで漫才とコントに挑戦(=13年)。
・國村隼、堤真一、友近、二階堂ふみ…映画「地獄でなぜ悪い」に出演。
・でんでん…映画「冷たい熱帯魚」で殺人鬼を好演。
・染谷将太、二階堂ふみ…映画「ヒミズ」に出演。
・満島ひかり…映画「愛のむきだし」に出演。
・吉高由里子…映画「紀子の食卓」に出演。
良い芝居を引き出す為にさんざん追い込んだ。
・平野勝之…友人。若い頃に園の4畳半の部屋に居候していた。
・杉山正弘…友人。ぴあフィルムフェスティバルの同期入賞。
・ほしのあきら…ほしのの勧めでぴあフィルムフェスティバルに作品を応募した。
・渡辺文樹…渡辺からインディペンデント映画の宣伝ノウハウを教わった。
・神楽坂恵…11年結婚。19歳年下。映画「冷たい熱帯魚」「恋の罪」に出演。
友人の紹介で初めて会った時に「僕の映画に2本出てみない?」とオファーした。
ベネチア映画祭に一緒に行った時にゴンドラの上でプロポーズした。
■園子温
□エピソードなど①
・高校卒業後に上京して21歳で大学に入るまでの間、あちこちを放浪していた。
雑誌「ガロ」に自作マンガを投稿して落選。
駅前で勧誘されてカルト宗教(統一教会)に入信して数ヵ月信者として活動。
統一教会を脱会する為に住んでいたアパートを出て左翼団体(中核派)のアジトに逃げ込んだ。
・親に対するアリバイ作りの為に大学に入った(授業料滞納で2年で除籍)。
・大学入学後に8ミリフィルムによる自主映画制作をはじめた。
撮影用の機材を借りる為に法政大学の映画サークルに入った。
・他の仕事をしながら個人映像作家になりたいと思っていた。
・映画「俺は園子温だ!!」でぴあフィルムフェスティバルに入賞(=86年)。
・映画「男の花道」でぴあフィルムフェスティバルグランプリ(=87年)。
・アダルトビデオに男優として出演。
・アダルトビデオ「男のコたち反省しなさい」を監督(=89年)。
・映画「自転車吐息」は徹底した草の根の宣伝で10日間のレイトショーで2500人を動員。
チラシに「ペルリン映画祭招待作品」と印刷
(「ベルリン映画祭」は園が自宅で開催している映画祭)。
宛先を1枚1枚手書きした試写状を大物から正体不明の変人まで大量に送り付けた。
・映画「自転車吐息」がベルリン映画祭に正式招待(=90年)。
世界各国の30以上の映画祭で上映された。
・映画「部屋」でサンダンス映画祭審査員特別賞(=94年)。
世界各国の約50の映画祭で上映された。
・路上パフォーマンス集団「東京ガガガ」を主宰していた。
渋谷のハチ公前にハチ公そっくりのレプリカを置いた。
渋谷スクランブル交差点前で鍋大会を開催。
全国からバックパッカーや家出人が集まって教祖的にモテはやされた。
メンバーを使ったゲリラ的な乱闘シーンを多数撮影(制作費が尽きて作品にはならなかった)。
街頭パフォーマンスを収めたドキュメント番組がフランスで視聴率40%を記録。
・30代半ばの頃、人生を賭けて買った16ミリカメラから出火して住んでいた部屋が全焼した。
・文化庁芸術家在外研修員としてアメリカ・サンフランシスコに留学(=99年)。
途中でお金をなくして最後はホームレスとして路上で寝ていた。
・40歳までまともに食えなかった。
■園子温
□エピソードなど②
・初のメジャー作品「自殺サークル」が新宿武蔵野館の観客動員記録を更新(=01年公開)。
・映画「紀子の食卓」がカルロヴィヴァリ映画祭コンペティション部門で特別賞賛賞(=06年)。
・映画「愛のむきだし」以前は常に「カルト的人気」という形容詞がついて回っていた。
・映画「愛のむきだし」がベルリン映画祭でカリガリ賞と国際批評家連盟をダブル受賞(=09年)。
・映画「ヒミズ」で原作モノに初挑戦(=12年)。
・映画「ヒミズ」に出演した染谷将太と二階堂ふみがヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞。
・映画『希望の国」で原発問題を真正面から取り上げた。
・自伝的エッセイ集「非道に生きる」を出版(=12年)。
・映画「地獄でなぜ悪い」がトロント国際映画祭のミッドナイトマッドネス部門で観客賞(=13年)。
・実際に人に会って話を聞く取材を重要視している。
・映画を自分に引き寄せる為に役名に身内や自分に関わりの深い人の名前をよく使う。
「イズミ」は母親の名前、「ミツコ」は初恋の女性の名前。
・舞台の稽古と同様なやり方でクランクイン前に念入りに演技のリハーサルをさせる。
スポーツの練習のように身体が覚えるまでリハサールを繰り返す。
クランクイン直前にだいたい全部できあがっているように作り上げる。
・ファーストテイクで妥協しない。深夜まで何十回もNGを出し続ける事がある。
・単に上手い芝居より下手でも個性や癖がある方が面白いと思っている。
・撮影中の睡眠時間は連日1時間程度。
・現場では一番の下っ端を含めて全員がアイディア出し担当。
ラストシーンの重要な一言に下っ端のアイディアを採用する事がある。
・家族、愛、エロスに関する作品を多数作っている。
・映画で血を見せるのが大好き。現場で血糊の準備と片付けを自分でやる。
・監督作品が映画評論家からその年のワーストに選ばれた事がある。
・「園子温はこういう監督」「園子温っぽい映画」と言われるのが大嫌い。
ピカソのようにタッチをガンガン変えて、観客が想像する先に行きたいと常に思っている。
・映画の文法を破壊して「これは映画ではない」と非難される部分をとことん突き詰めたいと思っている。
・「週刊女性PRIME」で報じられた性加害問題に関して公式サイトに直筆メッセージを掲載(=22年4月)。
凡例:20.01現在=2020年1月現在